甘い魔法②―先生とあたしの恋―
拒絶
「―――なにもめてんだよ。ケンカか?」
突然聞こえた先生の声に、あたしと和馬は同時に階段を振り返る。
そこには、Yシャツのボタンを2つ外した姿の先生がいて。
不貞腐れながら口を尖らせた。
「……別に。ちょっとリベートの予習してただけ」
「勉強熱心だな」
「……」
本当に信じたのか、先生は冷蔵庫を開けながらふっと笑う。
嘘を信じられちゃった事に小さな罪悪感を感じていると、それを見ていた和馬が笑い出した。
「信じるなよなー、実姫の下手くそな嘘なんか。
ハルくんの話してたんだよな、実姫」
「ちょっとっ!」
先生の前で『ハルくん』なんて言い出した和馬に、焦って立ち上がる。
だけど、そんなあたしにお構いなしに和馬が続ける。