甘い魔法②―先生とあたしの恋―
「え……。距離って……、どういう事?」
先生が言った言葉の真意が、あたしの考えた意味とは違う事を願いながら聞く。
あたしが考えた通りだとしても、何か事情があるハズ……。
そんな事を願いながら。
だけど、先生はそのまま何も答えずに立ち上がった。
そして、あたしの横を通り過ぎる。
「先生っ……!」
呼び止めた声が、自然と強い口調になってた。
先生はゆっくりと立ち止まって、あたしを振り返る。
尚もつらそうな表情を浮かべている先生に気付いて、ますます混乱する。
なんで、そんな悲しそうな顔をするの?
「市川も気付いてんだろ?
最近、俺おかしいんだよ。昔のトラウマだかなんだか知らねぇけど、やたらとおまえを束縛したくて堪らなくなる。
……それが、自分でももう嫌なんだよ」
「……だから、距離を置くの?」