甘い魔法②―先生とあたしの恋―
涙の混じる声で訴える。
今まで感じてきた事がたくさんありすぎて。
今まで溜め込んできた言葉がたくさんありすぎて。
今ここで全部を吐き出す事なんて出来ない。
それでも、感情に任せたまま声を出せば、あたしが一番伝えたかった事が自然と口から出てきた。
まるで、常に用意されていた言葉みたいに。
先生は涙を流すあたしを、眉を潜めた表情で見て……、そっと歩み寄る。
そして、すぐ近くまでくると、頬を伝う涙を指先で拭ってくれた。
「……ごめん」
その謝罪が、何を表しているのか分からなくて、先生をじっと見上げる。
視線に気付いた先生は、困り顔で微笑みながらあたしの頬をなぞった。
「俺がさっき何考えてたか……、市川には想像もできないだろうけど」
そう前置きされて続けられる言葉。
その先を大人しく待っていると、先生は言いにくそうに話し出す。