甘い魔法②―先生とあたしの恋―


 ※※※



「あれ、ハルキくん。どうしたの?」


日曜日の午前中、施設を訪れた俺を、里子さんの柔らかい笑顔が迎え入れた。

静かな園内にホっとしながら、里子さんの座るソファの向かいに腰を下ろす。


「別に。こないだはゆっくり話せなかったから。

今日はちょうど時間もあったし」

「こないだは秋穂が失礼な事言っちゃって……、実姫ちゃん、気にしてなかったかしら」


心配そうに聞く里子さん。

まっすぐに目を合わせられなくて、目を伏せてなんとか微笑んで誤魔化す。


「大丈夫じゃねぇかな、多分……。

あいつ、見た目ほど弱くないから。結構タフでこっちが驚かされるし」

「そう。ならよかったわ。

ハルキくん、紅茶飲めるわよね?」

「あー、いいよ。気使わなくて」

「ううん。近所の方にね、お土産で頂いたのがあるの。

せっかくだから一緒に飲んでよ」


笑顔でそういう里子さんに、俺も微笑んで頷いた。




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