甘い魔法②―先生とあたしの恋―
「一人で生きていくなら、誰にも頼らないでいてもいい。
この施設にいた時みたいに、表面上の付き合いだけをして生きていくなら。
でもね、誰かと一緒に生きてるなら、そんな寂しい思いさせないで」
「……させないでって」
「実姫ちゃんによ。
一緒にいる貴方が思い悩んでいて、でも、自分には話してくれなくて……それがどんなに寂しいか分かる?
貴方は一人で心配かけまいと頑張ってるだけかもしれない。
だけど、実姫ちゃんはそうは思わないわ。
『ハルキくんは、あたしを信用してくれない』って、そう、思うんじゃない?」
「……」
「お互い、自分の事は全部自分だけで解決するって考えなら、別にいい。
干渉しないお付き合いをしているなら、それはそれでいいの。
けど、ハルキくんと実姫ちゃんは違うでしょ?」
「……まぁ。違う、と思う」
「一人で頑張ってきて、でもそれが今自分一人じゃ乗り越えられない壁になってるなら、ちゃんと助けを求めなくちゃ。
中途半端に態度に出して、それでいて自分だけで解決できるなんて、思い上がりもいいとこよ。
もっと腹を割って覚悟を決めなさい」