甘い魔法②―先生とあたしの恋―
「ああ。……つぅか、もう大丈夫だから」
俺の言葉をどう捉えたのか、市川は柔らかく笑った。
安心しきった微笑みに、俺も同じように返す。
市川は座ったままベットに突っ伏す形で眠りに入っていって……、
その速さは相当なモノだった。
「疲れるよな……、普通」
寝不足な上に、市役所なんて慣れない場所に行って、しかも婚姻届なんてもらってきて。
その上、大人の男だって緊張して仕方ないプロポーズなんてして……。
『あたしが欲しいのは、先生だけだよ……。
完璧な彼氏とか、普通の恋愛が欲しいんじゃない。
先生が、欲しいの……。
なのに、それを偽らないでよ……。
あたしが望んでるモノを、偽らないで……っ』
『怖がらないで、あたしも巻き込んでよ……』
俺のために、あんなに必死に言ってくれた。