甘い魔法②―先生とあたしの恋―
近づく距離
【実姫SIDE】
「……ん」
まだ重たい瞼を開けると、蛍光灯の眩しい光が視界を狭くさせた。
目覚めにはきつい光。
顔をしかめながらぼんやりとしていると……。
「……起きた?」
「……っ??!」
はっきりとしてきた視界に、先生の顔がある事に気付いた。
状況が掴めなくて、とりあえずベットに沈めていた顔を上げて周りを見渡す。
あたしは、床に座ったままベッドになだれ込むような形で寝ていたみたいで……。
先生はと言うと、あたしと向かい合うようにベッドに寄りかかっている。
もしかしたら寝顔を見られてたかもしれない、なんて思いながら時計に目を移す。
18時50分。
夕食前のこの時間に、なんで部屋で、しかも先生と一緒に寝てたのか……。
未だ眠気が先行する頭で考えて、ようやく眠りに着くまでの経緯を思い出す事ができた。