甘い魔法②―先生とあたしの恋―
思い出した途端に、まだ言い足りない気がして、口を開こうとするも。
「ん? どうした?」
「……」
先生の落ち着ききった優しい表情に、言葉を奪われる。
ここしばらくは見ていなかったような、余裕を持った先生の顔。
結局、
「……なんでもない」
とだけ言って、口を閉じた。
そういえば、眠りに着く直前。
先生は……、
『もう大丈夫だから』って言ってた気がする。
無理して言ったわけじゃない、本心からの言葉で。
……だけど、今まであんなに思い悩んできた事が、そんな簡単に大丈夫になるの?
そうは思えなくて、やっぱり先生に聞くことにした。
「先生……」
「ん?」
「……本当に、もう大丈夫なの?」