甘い魔法②―先生とあたしの恋―
さっきまでの表情を、挑発に変えた先生。
胸の鼓動が速まるのが分かった。
こういう意地悪な顔を見るのも久しぶりで、ドキドキする。
意地悪な事を聞かれるのは恥ずかしいけど、先生のこの顔は、どうしょうもないくらいに好きだから。
「ないよ。
必要としてる誰かさんが、何人分も手のかかる人だから。
……その人は年中無休でモテてるけど」
「モテてねぇよ。
大体、瞬が変な噂ながしたからか、告白してくる生徒ももういねぇし」
「生徒はね。……馬場先生は?」
先生は少しだけ困ったような顔をする。
苦笑いを浮かべる先生を不思議に思って見ていると、先生は宙を見つめたまま言う。
「まぁ、告白はされたかな」
「えっ……」
「断ったけどな」
「馬場先生、納得したのっ?!」