甘い魔法②―先生とあたしの恋―


「おまえ、自分のした事分かってんのかっ?!

市川は、ずっとこの事で思い悩んでたんだからな」

「だから、市川さんには何されても文句言わないって言ってんじゃん。

つぅか、俺的には最初にこんなメールが来た時点でハル兄に相談するって踏んでたんだよ。だから、すぐバレるだろうなって。

なのに、市川さん、全然相談しないし」


ちらっと見られて、身体がすくむ。

……え、っていうかあたしが悪いの?


納得できないまま見ていると、坂口先生はふっと笑ってから続ける。


「もしかしたら、裏で相談してて2人して黙ってるだけかとも思ったけど……。

市川さんが嘘ついてるようにも見えなかったし、第一、バレたらハル兄は真っ先に俺んとこに殴り込んでくるハズだし。

ちょっとだけこじらせてやろうと思っただけだったのに。

まさか市川さんがここまでひとりで抱え込むとは思わなかった」


坂口先生が向けてくる、困ったような微笑み。

少しだけ沈黙の時間が過ぎてから、意を決して聞く。









< 426 / 458 >

この作品をシェア

pagetop