甘い魔法②―先生とあたしの恋―
「なんで、こじらせたかったんですか?
……あたしが、気に入らないから?
あたしが、先生とは釣り合わないからですか?」
「おまえ……」
「先生は黙ってて」
途中、明らかに顔色を変えた先生を先に止める。
どうしても聞きたかったから。
別れろって脅すわけでもないメールの真意を。
坂口先生がどんな気持ちで送ってきてたのか。
坂口先生は頭の後ろに片手を回す。
少し、答えに困っているようだった。
しばらく机を見つめて、そして、困り顔のままあたしを見た。
「最初、ここに来た時、ハル兄から市川さんの事聞いて驚いた。
里子さんに市川さんの事聞いてたけど、大学生だって言ってたから。
だから、名字が同じだけかって思ったけど……。
でも、その翌日ここに来て市川さんを紹介された時、ハル兄の態度ですぐに同一人物だって分かったよ。
この子がハル兄の恋人だって」