甘い魔法②―先生とあたしの恋―
「興味があったから。ハル兄が入れ込む女ってどんなだろって。
試してやろうって気持ちもあった。
秋穂が想いを譲るほどの女かどうか」
「……」
「あと、秋穂が言ってたんだよね。
市川さん、なんか嘘ついてたっぽいって。
ハル兄と2人して何かを隠してる感じがしたってさ。
……今思うと、本当に女の勘って怖いなーって感じだけど」
坂口先生は、ははって軽く笑った後、あたしを見た。
「だから、歓迎会の飲み会の時、ハル兄のケータイから市川さんのメアドを盗んだ。
……でも、今は後悔してるよ。半分、興味本位であんなメール送った事。
ごめんね、市川さん」
なんて答えればいいのか、戸惑った。
あのメールの事を今も怒っているかって聞かれれば、答えは「NO」だし、でも、かと言ってすぐに頷いて許すのも……。
ここですぐに「いいんです。気にしてないですから」なんて答えれば、坂口先生の中でのあたしのポイントはアップするのかも。
だけど……。