甘い魔法②―先生とあたしの恋―
キュッと唇を引き締めて、坂口先生と目を合わせる。
「メールを見た瞬間、頭が真っ白になりました。
……すぐに、先生に相談したくなった。
怖くて仕方なかったです」
2人分の視線を感じる。
特に隣から送られてくる先生からの視線は強かったけど、でも、そのまま続けた。
「学校にバレたら、家にバレたら……。
色んなケースをたくさん考えました。
『別れ』って言葉を考えなかったわけじゃない。
一時的に離れて、卒業してからまた付き合えば、なんてズルい事も考えました。
ズルくても……、先生の立場を守るためには、そうするのが一番だっていうのは、分かってたから……、すごく、考えました」
言いながら、気持ちを整理する。
誤魔化せない、あたしの本心を。
「けど、あたしにはもうそれを切り出す勇気がなかったんです
1年前、バレた時の事が怖くて……、先生と離れるのが怖くて。
あたしは一度別れを切り出したから。
先生を一度傷付けたから……」