甘い魔法②―先生とあたしの恋―
「なんとかって……」
「おまえのメアドはそういう意味だろ。
おまえの気持ちなんか、施設にいた頃から分かってたし。
市川に嫌がらせするより先にやる事があるんじゃねぇの?」
坂口先生の表情がますます焦りだす。
メールの事で問い詰められていた時はあんなに余裕だったのに……。
動揺ぶりから、秋穂ちゃんへの気持ちが本当だって事が見て分かった。
「別に、何もする気ないし。
見守る愛っていう感じ?
俺はハル兄みたいに自分の支配下に置いておきたいとかいう狂気的な気持ちはないから、秋穂が幸せならそれでいいし」
「へー。
じゃあ失恋の寂しさから、秋穂がそのへんの男と付き合い始めても見守るわけか。
たいした根性だな。尊敬するよ」
「……俺、弟分なんだからあんまりいじめないでくれない?」
「ただすげぇなって褒めただけだろ?
瞬の『見守る愛』ってやつを」