甘い魔法②―先生とあたしの恋―

新しいドア



先生との事が解決して、いたずらメールの件が解決して。

それから卒業までは、本当にあっという間に時間が過ぎていった。


10月末に、諒子と一緒に指定校推薦に受かって、11月中旬には和馬の大学合格が決まった。

啓太は、バスケ部のある職場に就職が決まったらしい。


一時期は嫌悪感だとか恐怖さえ感じてた。

けど、その知らせを和馬から聞かされた時は、素直に安心できた。


あたしの中にある啓太のイメージが、だんだんと柔らかくなってるんだ。

それが分かって、なんだか嬉しかった。


2月は予定通り諒子の家でのお泊り会だとか実家に帰ったりだとか。

あとは……、バレンタインを先生と過ごしたりして。


諒子と作ったガトーショコラは、初心者にしては難しすぎるメニューで……。

ちょっと固すぎちゃったけど、それでも先生は喜んでくれた。


そして、その後―――……。


「さっきまで泣いてたくせになにニヤけてんの?」 


思い出しただけで恥ずかしくなる、3週間前のバレンタイン。

頭に浮かんでくるのは、チョコの甘さと先生との事。


顔が熱を持ち始めた時、隣を歩いていた諒子が覗き込んできた。



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