甘い魔法②―先生とあたしの恋―


思い切り気持ちをぶつけた時。


あの時先生が泣いてたかどうかは今でも分からないけど。

でも、多分……。


思い出し笑いをすると、諒子が目をキラキラさせて腕に飛びついてきた。


「あ、あるんだ! えー、いつ泣いたの?」

「泣いてないってば。それより諒子は今日要くんとお祝いしないの?」

「……さぁ」

「するんだ! え、どこで?」


笑って誤魔化す諒子を問い詰めようとしたところで、島田先生が入ってきた。


騒いでいた生徒が静かに席に戻る。

それを確認してから、島田先生が賞状やら記念品やらを配って最後に簡単な挨拶をする。


……予定だったのに。







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