甘い魔法②―先生とあたしの恋―
話す前から島田先生が涙ぐんだりするから、それにつられた女子が泣き始めて、教室が泣き笑いに包まれる。
2年間、このクラスを受け持ってくれた島田先生。
学年主任も務めてるし、厳しすぎる事もあったけど。
でもだからこそ、島田先生の涙に胸が締め付けられた。
「もっと、教えてやりたい事があるし、もっと叱ってやりたい事だってある。
出来る事なら、まだ手を差し伸べてやりたいって思いがある。
だけど……、君達はこれからは自分で、物事を見つめて判断していかなくちゃならない。
自分なりに必死に考えて、見極めていって……、立派な大人になりなさい。
先生は、いつでも応援してる」
小さな泣き声が教室中から響く中、島田先生の言葉で、HRが終わる。
「卒業、おめでとう」
3年間の高校生活が、終わった。