甘い魔法②―先生とあたしの恋―
『初めまして。保健医の坂口です。
1年目ですが、24歳っていう若さを生かしてガンガン張り切っていきますので宜しくお願いします』
そう挨拶する『坂口先生』の姿が目に映った。
春だっていうのに、少し焼けて見える肌。
ガッチリした体型は、先生よりも一回り大きく見える。
髪は襟足が少し長くて、前髪は真ん中で分かれていて、目に掛からない長さで揺れていた。
にこっと爽やかに笑う口許からは、白い歯と人懐っこさみたいなものが覗く。
……先生とはちょっと違うタイプだ。
「あの保健医、ちょっとレベル高いね。矢野センとはまた違うタイプで人気でそうじゃない?」
後ろから話しかけてきた諒子に、半分振り向きながら頷く。
「そうだね。先生よりももっと親しみやすそうだしね」
「矢野センは兄貴分的な存在だけど、あの保健医は友達感覚だよねー。あ、でもほとんど同じ歳?
矢野センっていくつだっけ?」
「今年25じゃない? ……よく知らないけど」