甘い魔法②―先生とあたしの恋―
泣き出したら負けな気がして、意識して強く言い切る。
たったこれっぽっちの事で泣いたりしたら……誰だか分からないけど、送信者の思うツボな気がする。
はっきり言うと、先生は腕を緩めて2人の間に距離を作る。
少し離れた事でぶつかった視線。
先生の心配している瞳を、そらさずに見つめ返した。
「本当に大丈夫だから。
……でも、なるべく先生とは距離を置くね」
言い難さを感じながら言うと、先生の瞳が小さく揺れた。
動揺したのか、わずかに眉を潜めた先生があまりにショックを受けたような顔をしたから、慌てて言葉を付け足した。
「っていっても、学校では今までだってそうしてきたから変わらないけど……。
ほら、こないだみたいに2人で出歩いたりするのはちょっとマズイかなって……」
「……まぁ、それもそうだな」
返ってきた声のトーンがいつものものだったから、ちょっとだけ安心する。
それと同時に、やっぱり少し様子のおかしい先生を再確認して、あたしは先生の目をじっと見つめた。