甘い魔法②―先生とあたしの恋―
最近の先生は、やけにあたしを近くに置きたがってるように感じる。
こないだの土曜日の事も、さっきの動揺も。
異常なくらいに、離れる事を嫌がっているような……、怖がっているような感じがする。
だけど、そんなのただのうぬぼれかもしれないって考え直した時、先生が小さく唸った。
「メールの文面からして、そいつ、市川が誰かしらと付き合ってるって事はつきとめたんだろうな」
「え?」
「『僕以外の男なんて許さない』って、『今付き合ってるヤツとなんて許さない』って事だろ。
市川が誰かと付き合ってるって事を知って送ってきたんだろ。
じゃなきゃ、唐突すぎる。
差し迫った状況がないなら、そんなメール送りつけてこねぇだろ」
諒子が作った嘘のメール文を解析する先生。
諒子がせっかく嘘のメールを考えてくれたのに、先生の鋭い分析から、嘘だったハズのメールが本当の脅迫メールに近付く。