甘い魔法②―先生とあたしの恋―
「確かに服装変えて雰囲気変えてたけど……でも、可能性がない訳じゃない」
本当は、あたしも土曜日の事が一番怪しいと思ってる。
このタイミングで送ってきたのも、土曜日出かけたのが原因なら納得できるから。
だからこそ、先生の言葉に過敏に反応した。
先生には気付かせたくなかったから。
もし、あの時だって断定しちゃえば、先生はきっと自分を責めるから。
だけど、先生の鋭い考えにあたしが太刀打ちできるハズもなくて。
結局言葉をなくしたあたしは、力なくベッドに座る。
「とりあえず、そいつが何掴んでるかは分からねぇし、何望んでるのかも分からねぇから、市川はなるべく1人で外出するな。
欲しいモノがあれば俺が買ってくるし。
それか友達についてきてもらうとかして、1人の時間は少なくした方がいい。
俺もなるべく早く帰ってくるから」
「……うん。ねぇ、先生」
「ん?」
「先生と坂口先生って仲いいの?」