甘い魔法②―先生とあたしの恋―
いつか、離れていくかもしれない。
そんな不安が、いつの間にか頭ん中に居座っていて、事ある度に主張してくる。
それは、きっと母親との事が根底にあるんだろうけど、でも、今までこんな風に感じた事はなかった。
……誰かをここまで大切に想った事もなかったから。
手の中にある寮の新しい鍵。
それを見つめてから、目を伏せた。
これは心配症からくるものなのか……。
それとも……、
市川を、俺の目の届く檻に閉じ込めたいだけなのか―――……。