甘い魔法②―先生とあたしの恋―
適当に交わしてるのに、こういう事に関しての生徒の食いつきは激しくよくて、答えるまでは解放されない。
もうかなり前にそれを学習した俺は、はぐらかすよりもそれなりに答えた方が早く解放されると判断する。
「思わねぇな。多分、坂口先生の言う通り固執型なんだろ」
「へー。やっぱり意外」
案の定すぐに終止符が打たれた話題に、授業を終わらせようとした時。
別に生徒から質問が飛んだ。
「そういえば、馬場先生って矢野センが好きなんでしょ? 矢野セン、気付いてた?」
「……」
答えにくい質問が飛んできて、答えに一瞬迷う。
だけどあまり時間を空けてもかえって付け入られる気がして、軽く笑って見せた。
「いや? つぅか、馬場先生もそんなんじゃねぇだろ。
職場仲間くらいにしか思ってねぇよ」
「えー、それ絶対嘘。あたしもなんとなくそうかなって思ってたもん」
「あたしもー。……あの先生分かりやすいんだもん。反応が中学生みたいで。
多分、質問攻めしたら白状すると思うし」