甘い魔法②―先生とあたしの恋―
独占欲
「おまえ、いい加減な事ベラベラ生徒にしゃべってんじゃねぇよ」
放課後の保健室でいきなりそんな事を言った俺に、瞬は思い当たる出来事を思い出してへらっと笑う。
「だって、みんなハル兄の事に興味津々だったからさー。でも、ちょっと教えただけだよ。
授業中何か聞かれた?」
悪びれない様子にイラつきながら、瞬のデスクに軽く寄りかかる。
「聞かれたよ。結構際どいとこまでな」
「みんなそれだけハル兄が好きなんだって。いいじゃん、人気者なんだから」
「別に、人気なんかいらねぇよ。政治家じゃねぇんだから。
俺は人気よりも終始授業に集中してくれるくらいの威厳が欲しいんだよ」
「またまたー」
何を言っても無駄だと判断して、瞬の返しにため息で答える。
そして、デスクに向かって何やら作業している瞬の手元に視線を落とした。