甘い魔法②―先生とあたしの恋―
「ちゃんとやれてんのか? 仕事」
「大丈夫だって。俺、世渡り上手だから。
教頭も結構気に入ってくれたみたいでよくしてくれるし」
「そういう意味じゃねぇけど……って、教頭が?
俺には昌じぃが赴任してくるまでかなり厳しくしてくれてたのに?」
眉を潜めながら言うと、瞬が明るく笑う。
「人柄だよ。俺の人徳。
ハル兄も付き合ってみればいい奴なのに、そう思わせるまでの場所に他人を寄せ付けないからいけないんだよ。
俺みたく誰にでも頼ったりすればいいのに。
教頭の件も、『教頭先生って、お母さんって感じがしてつい甘えちゃいそうです』って、適当に言ったらなんか好かれちゃってる感じだし」
「……おまえ、保健医なんかより向いてる職業あるんじゃねぇの?」
瞬の取り入りテクに呆れながら、その明るさに笑みが零れる。
普段から明るくてムードメーカ的な存在の瞬。
だけど、高校だとかの学生時代は度々ケンカをして昌じぃに怒鳴られてたっけ。