甘い魔法②―先生とあたしの恋―
原因は、いつも瞬の言葉だった。
いつもは明るい瞬が、突然、雰囲気を変える事がある。
それは、学校をサボって煙草ふかしてるような不良相手だったり、結婚指輪をしながら女子高生の肩を抱いて目を垂らしてる中年にだったり。
恵まれた環境化にありながら、それを無駄にしてるような、壊すような事をしてる奴を目の当たりにした時。
そんな奴らを見かける度に、瞬が静かな残酷さを見せる。
『そんな事、守られてるって知ってるからできるんだよ』
『家庭壊したくてやってるなら、協力してやるけど』
瞬の言葉に激昂した相手に、瞬も同じくらい熱くなって殴り合いになって。
相手が手を出すまでは決して手を出さない上に相手より自分を重傷にさせる瞬は、いつも言い逃れられる道を用意していた。
自分が悪いって事を分かっていて、バラされると困る事実を持ち合わせているのは、いつも相手側。
問題にされるとマズいのも、相手側。
瞬が正しくないとは言えないだけに厳しく注意できなくて、決して低くない知能を使った確信犯に、昌じぃも頭を痛めてた。