チョコレートより甘い恋
「ノンはかわいいのに。」


落ち込むあたしを慰めるように頭をよしよしと撫でるよりちゃん。


その温かさに、泣きそうになる。


「うぅー、よりちゃん…」


あぁ、あたしはなんていい友達を持ったんだろう…


こんなあたしをかわいいって言って慰めてくれて。


お世辞ってわかってるけど嬉しいよ。


感動の涙で上手く喋れないあたしは、涙が流れないように気をつけながら、感謝の気持ちを目線で訴えた。


「――っ!きょ、凶器…!」


顔をほんのり染めてあたしを見つめ返すよりちゃんは、あたしをぎゅっと抱き締めると、突然何か目覚めたように声をあげた。


「…よしっ!あたしがノンの恋を叶えてあげる!」


ぽかん…とするあたしを置いてきぼりにして


一人闘志を燃やすよりちゃんを、あたしはまるで他人事のように眺めていた。




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