チョコレートより甘い恋
「唯瀬…?」


零れそうな涙を必死に堪え、首をぶんぶんと横に振って拒否し続けていると


まさに救世主のようなタイミングで聞き慣れた声が聞えてきた。


「た、た…つきく……っ」


大好きなその声に安心したせいか、目に涙がたまっていく。


俯いていた顔を声の聞こえたほうに向けると、驚いた顔をした逹木くんと目があった。


それからすぐに状況を理解した逹木くんが男たちを威嚇すると


腕を握っていた男たちはつまらなそうな顔をして舌打ちすると、乱暴に腕ををはなして離れていった。


< 56 / 78 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop