チョコレートより甘い恋
「ご、ごめんね…」
結局映画は諦めて、近くの小さな広場まで歩いて来た。
その間、あたしは何度も逹木くんに謝っていて。
逹木くんは、あたしが気にしないように、それをいつもの笑顔で笑い飛ばしてくれる。
「唯瀬、謝りすぎ。」
そんな逹木くんだからこそ、余計に申し訳ない気持ちになってしまった。
「もういいって言ってるのに。本当にもう気にしなくていいから。」
そう言ってまたあの優しい顔をする逹木くん。
でも…
「せっかく来てくれたのに…。やっぱりなんか、悪いよ…」
逹木くんにとっても大事な休みの日だったのに…
そう思ってしまうと、なかなか割り切れない。