チョコレートより甘い恋


――その日、席替えで窓際最後列を引き当てたあたしは、机を移動しようと荷物を整理していた。


けど“新しい席=新しい友達”みたいな勝手な方程式を作り上げたあたしはテンパりまくって。


持ち上げたかばんを逆さまにして荷物をぶちまけてしまった。


そんな状況に一人あわあわと焦り、恥ずかしい気持ちを抱えながらせっせと荷物を掻き集めていた。


そんなあたしに声をかけてきたのが、後ろにいた逹木くんだった。


「唯瀬、緊張してんの?ははっ、かわいー。」


くすっと笑ってそう言うと、逹木くんはしゃがんで一緒に荷物を片付けてくれて。


その動きが…優しさが、あまりにスムーズで。


そんな逹木くんにあたしは一気に惹かれていったんだ―…




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