鳥籠
違う。
そうじゃない。
おかしくないじゃない。
始まりなんか何でもいい。
アキヒロのいるBurmeseが認められたんだから。

「全然プロでやってくなんて気ないから、やめるわ。じゃ」

ダメ。
ダメなの。

待って。

その一言が、あたしの乾ききった喉からは出て来ない。

立ち上がってドアを出て行くアキヒロを、みんなが追いかけていく。
でも、あたしは糸が切れたように立ち上がれないまま。

彼とのたった二つの繋がり。
そのうちの一つが、これで切れてしまった。
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