鳥籠
「…あの、さ」

シュンが、静かな声で話しかける。

「……一緒に住まねぇ?」

一緒に?
シュンと?
何で?

「俺はやっぱ、お前が好きだよ。
 もう、忘れられちまったかもしれねぇけど」

うん、忘れてた。
そうだったっけ。

だから、何なんだろう。

シュンが、あたしのことを好きだと、何なんだろう。
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