鳥籠
それなのに、何だろう。
頭の中がぐちゃぐちゃになってる。

「シュン…」
「うん?」

シュンはいつもと変わらず、あたしの話を聞こうと首をかしげて目を見てくれる。
その瞳をじっと見つめているうちに、肩の力が抜けてくる。

「…何でもないよ」

そう、何でもない。
くすっと笑う。

「びっくりした?」
「するよ、そりゃ。とりあえず、あがって」

くすくす笑いながら、ブーツを脱ぐ。
放り出したブーツを、シュンが端に寄せて、冷蔵庫を開ける。
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