鳥籠

「あたしのこと、好き？」
「なに、急に。好きだよ？」

当たり前のように、いつ聞いてもそう言ってくれる。
ずっとあたしを大事にしてくれていることは、あたしだってわかってる。

あたしにとっても、シュンは漠然と居心地のいい場所だ。

「あーあ。…もうシュンに決めちゃおうかなぁ。疲れたよ」
「ええっ！　何だよ！」

本気で驚いたらしく、意外に大きなリアクション。

「何だよって、シュン一人にしようかなって。喜んでよ」
「あ、絶対無理。無理無理。朱にそんなこと出来るわけないよ」
「何だよそれ～。あたしだって、こう…」
「こう？」
「……シュン好きだよ！」

精一杯真面目に言ったのに、シュンはきょとんとして、それから笑い出した。