鳥籠
彼は、きょとんとしてるあたしの瞳を覗き込む。

「早いじゃん」
「アキヒロだって」

言いながら、携帯をスライドさせて時計を見てみる。
まだ、1時間前。

「何してんの」
「何って…座ってる」
「ふぅん」

彼は、軽く何度もうなずきながら、あたしの隣にゆっくり座ってじっとあたしを見る。

「なに…?」
「目」

真顔で、あたしの目を指差す。
あたしは思わず、慌ててこする。
赤くなってたのかな。
腫れてた?
涙目だったりした?

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