鳥籠
アキヒロはまた幾度も小さくうなずいて、にやりと笑った。

小さく何度もうなずくのは、アキヒロの癖。
その口元は、もうすっかり見慣れてしまった。

「アキヒロ」
「行こっか」

それだけ言って、彼が立ち上がった。
あたしも慌ててギターケースを背負って、出て行く彼を小走りに追いかけた。



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