鳥籠
アキヒロは戻ってくると、視線で「布団を明け渡せ」と促す。

「寝直す?」
「ああ」

仕方ない。近くのものを適当にどけながら移動する。
アキヒロは、あたしをほったらかしで布団にもぐりこむ。

それを横目で見ながら、ペットボトルに口を付ける。

「……テレビ」

言われるままにテレビのスイッチを切る。
手元にあった、区の広報を暇つぶしにめくってみた。


< 73 / 140 >

この作品をシェア

pagetop