鳥籠
「その程度! やっぱほら、友達は大事にしないとね」
「あーあー、アキヒロは特別ってこと?」
「当たり前! シュンと一緒には出来ないよー」

あたしの浮かれ具合に、シュンが頭を抱えてる様子が何となく電話から伝わる。
軽いため息が、耳元に伝わってくる。

「そんじゃね、おやすみ、シュン」
「おやすみなさい~」
「アキヒロの夢とか見ちゃうかも」
「はいはい、勝手にして」

呆れきったシュンの声に、声を立てて笑いながら電話を切った。
そういえば、シュンの用件は聞かなかったっけ。
まあ、いいや。

やっぱり唇の端に浮かぶのは照れ笑い。
調子のいい、自分のセリフ。
なに、夢見ちゃうって。

本当に舞い上がってんな、あたし。
< 78 / 140 >

この作品をシェア

pagetop