鳥籠
あまりにも、遠い。
ただ、あの青に包まれたいだけなのに。

まぶたを、閉じる。

まぶたの裏にさえ、青は焼きついている。

ゆっくりと息を吐きながら、瞳に張り付いたまぶたを開いてみる。
目を閉じる前とは、少し印象が変わった日の光。
既に弱まっていると思っていた光が、意外に明るいことを知って驚く。

青空と、暗闇は同居しないのだ。
どちらかがもう一方を強調することはあっても、同時に同じ場所に存在することはない。

あたしの中の、望みと、欲望。

瞳の上で光を受けて輝く涙の中に、その存在を見つけてしまう。

強く首を振って、その影を必死に振り払う。

ただ、あの青に。
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