他校の君。【完】
制服姿の一臣君に今日もやっぱりドキドキする。
本当に何着ても格好イイ。
「じゃあ、あたし帰るねバイバイ」
一臣君に見惚れていたら、みっちゃんがあたし達に手を小さく振ってから離れて行く。
「みっちゃん、またね」
「うん」
離れて行くみっちゃんに慌てて声をかけたら、一度振り返ってからニッコリと笑ってくれて、また前を向いて帰って行った。
みっちゃんが帰ったのを確認してから、一臣君の方に視線を移すと、
「あれ?」
そう言えば花音ちゃんと翔君がいない。
一臣君一人だけ。
疑問に思った事が一臣君に伝わったらしく、
「委員長が先生に雑用頼まれたから遅くなるって」
って教えてくれた。
あ、なるほど。
だから彼氏である翔君もいないのかぁ。
「花音ちゃんって大事にされてるんだね」
いいなぁ。羨ましい。
「……多分」
「多分?」
「俺は翔じゃねぇから」
まぁ、確かにそうだね。