他校の君。【完】
ー…
………
「で、ここの…」
「あ、そっか」
分かった。
図書館に着いたあたし達は本気で勉強中。
一臣君は優しく分かりやすく教えてくれる。
これって自分が分かってないと絶対分かりやすく教えられないよね。
凄いなぁ、ってますます一臣君が輝いて見えるあたしはどこまで一臣君が好きなんだろう。
ときめきつつも、一臣君に言われた問題を自分で問いてみたら、
「あってる」
一人で出来たな、と頭をわしゃわしゃと撫でられた。
「………っ」
照れるんですが、一臣君。
「あ、照れてる」
ははっと笑いながら、あたしをからかおうとする一臣君にますます照れてしまう。
ー…こんな時間を一臣君と過ごしててバチがあたったりしないかなぁ。
何だか幸せ過ぎる。
(……あ)
もし一臣君が彼氏だったとしたら、これって図書館デート…?
そんな訳が無いのは分かってるけど、想像しちゃって、少しだけ眩暈がした。
もしあたしが彼女だったら、一臣君はどんな態度を取ってくれるのかなぁ?
花音ちゃんは一臣君に彼女はいないよって言ってたけど…。
「一臣君って好きな子とか…いる?」
気になっちゃったあたしは、つい、聞いてしまった。