他校の君。【完】



…つ、付き合…


「……っ」


ぶわっと身体の熱が一気に上がる感覚がする。


「かーすみ。俺の彼女になる?」


そんなあたしの反応を愉しむようにもう一度告げられた一臣君の言葉。

その言葉にカァッと頬を真っ赤にさせてしまうと、一臣君の手があたしの手に触れて、優しく重なった。


ドキンッ


(し、心臓が…)


ドキンッ


心臓が、おかしくなる。

どうする?、とばかりに顔を覗き込んでくる一臣君にもう失神しちゃうんじゃないかってくらいクラクラして、ドキドキして。

そんな中で、


(なるって言ったら、付き合ってくれるのかな?)


微かに膨らむ期待。


「な、」


なりたいです!

勇気を出して、そう言う前に一臣君があたしからすっと離れた。


(あ、あれ…?)


驚きながら、一臣君を視線で追いかけると、


「ははっ、耳まで真っ赤!ごめん。ここまで赤くなるとは思わなくて、」


からかい過ぎた。


と、喉でくくっと笑った。


「………!!」


嘘。

またまたからかわれたの!?

あたしの気持ちがバレてた訳でもないの!?


「か、一臣君のイジワル!本当に、本当に今、」

「本気にした?」


したよ!


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