他校の君。【完】
さらにニヤニヤ、へらへらしていると、
「香澄っ!!」
「………!」
ノックも無しにドアを勢いよくバーン!と開けて入って来た雪。
「ちょ、な、何で勝手に入ってくるの!」
ニヤニヤ、へらへらしていたのを見られたんじゃないかと内心焦りながら、ドキマギし始めるあたしに近付いて来た雪はあたしの肩を掴んだ。
「ノ、ノック」
雪のあまりの勢いに『何』とは言えず何故かノック、と言ってしまった。
「…コンコン。はい。ノック終了」
「口!?」
口でノックした雪に思わずツっこんでしまうと、そんな事はどうでもいいとばかりに、あたしをジーッと見つめてくる。
…と言うか睨んでくる。
(な、何…?)
思わずたじろいでしまう。
「あいつ、誰」
「……へ?」
「天海の制服着た、あの男誰!!」