他校の君。【完】



俺と海谷だったら、絶対海谷の方が可能性がある。

海谷が香澄の幼なじみ。

それはつまり、俺と香澄が一緒にいる時間なんて比べらんねーくらい、あいつと一緒にいる時間の方が遥かに長いって事で。


「…海谷って学校どこ」

「あたしと同じ学校だよ?クラスも一緒なの」

「…因みに家は」

「五軒隣。だから、ずっとね?小さい頃から一緒だったの」

「………」


色々と不利過ぎる。

学校一緒でクラスも一緒って一日中一緒って事だろ。

俺なんかクラスどころか学校違うし、電車は帰る時間が被んねーと会わねーし、

自分から時間作んねー限り…。


(なんだよ)


俺の心ん中、既に嫉妬やらなんやらで真っ黒じゃねーか。

花火どころじゃねぇ。


「…もしかして、雪と友達に…」

「無理」


っつか、なれない。

本人もそう言ってたし、あれは友達じゃなくて、敵だろ、敵。


「…え。一臣君…」

「違うから」


『そう事言う人なの?』とか思われたくない。


(………。こんな事思うって)


俺、どんだけ香澄が好きなんだよ。


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