他校の君。【完】



「あのさー」

「うん?」


何だか気恥ずかしくて、俯いたまま返事をしちゃう。

いつも通りの座り方さえ忘れちゃって、どこに手を置いてたのか分からなくて、あたしの手がそわそわと変な動きをしてる。


「あー、えーと」

「う、うん?」


そわそわと動き続けるあたしの手は、はたから見たら絶対に怪しい。

だから、制服のスカートを掴んで何とか落ち着かせようとする。

意識し過ぎだよね、あたし。


「香澄、暇な日無い?」

「……え?」


ドキドキと意識していたら、そんな事を聞かれて、あたしは顔を上げる。

そのまま一臣君に視線を移動させると、何故かそっぽを向いてる。


「???」


どうしたのかなぁ?


「…やっぱ、得意じゃねぇな。こう言うの」

「???」


前にも聞いた言葉に首を傾げると、一臣君があたしの方に視線を向けた。


「…会いたい、って言ったら迷惑?」

「………!!」


め、迷惑な訳が無いよ。

だってあたしも会いたいんだから。

凄く嬉しい。

でも、


(あれ…?)


一臣君は何であたしに会いたいのかなぁ?


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