他校の君。【完】



「で、暇な日ある?…って言っても俺も香澄も部活あるな」


部活が終わってからなら大丈夫なんだけどなぁ。

うちは門限ってないし。

だからと言って夜中まで遊ぶなんて事はあたしには出来ないけれど。


(……あ)


そう言えば、


「一臣君。再来週の土日は?」

「土日?…確か。土曜なら10時までだったような…」

「え、そんな遅くまで部活あるの?」


10時と言われて驚いてしまうあたしを一臣君が驚いたように凝視する。

そして一拍置いてから噴き出された。


「???」


あたし、噴き出されるような事言ったっけ?


「いくら何でもそんな遅くまでしねーよ」

「でも10時って」


笑っていた一臣君が笑うのを堪えてあたしを見つめる。


「朝の10時」

「えぇっ!?朝の10時!?お泊りなの?!」


さらに驚いてしまうと、一臣君がまた噴き出す。


「ちょっ、あんま笑わせんな」

「え?」


だから、笑わせちゃうような事言ってないよ?


「朝だけしかしないって事」

「………朝だけ?」

「そ。朝だけ。早朝練習とかあるから」


あ、なんだ。

じゃあ夜遅くまで部活をする訳でも、お泊りする訳でもないんだ?



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