他校の君。【完】
Side 一臣
腰を抜かした香澄が立てるようになったのを確認してから、香澄を立たせた。
恥ずかし気に視線を泳がせまくってる香澄がどうしようもなく、可愛い。
そんな香澄がついさっきから俺の彼女なんだと思うと、
(ヤバい、ニヤけそうになる)
けど、我慢。
一人でニヤけてたら絶対気持ち悪りーし。
香澄の手を握り、香澄の家に向かって歩く。
本当は帰したくねーなんて、既に思ってる俺はかなりの重症だな。
チラリと香澄を見下ろすと、香澄と視線が交わった。
けれど、すぐに視線を逸らされてしまう。
照れてんだよな。
そう思うと、
「香澄、こっち向けよ」
わざと視線を合わせてやりたくなる。
香澄の後頭部に腕を回して固定して、顔を覗き込んでやると、香澄の頬がさらに赤く染まる。
「………っ」
ヤバい、調子に乗り過ぎた。
これ、俺の方が照れる。
これからは気をつけねーと。