他校の君。【完】



そんなに深い傷じゃないし、ちょっと血が出ただけ。

だから、殺菌してもらって傷テープを貼ってもらった。

これぐらいで付き添いで来てくれた雪って結構心配性かもしれない。


「ありがとうございました」


保健室の先生にお礼を言ってから、保健室を出ると雪があたしの隣に並ぶ。


「で、さっきの続きだけど」

「うん?」

「あいつと何かあった訳?」

「………っ」


その言葉にまたカッと顔が熱くなる。

そんなあたしとは反対に雪の瞳が急激に冷たくなって行く。

けれど、あたしは自分の事でいっぱいいっぱい過ぎて気付かない。


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