他校の君。【完】
嬉しくて勢いよくお礼を言ってしまうと、一臣君が驚いたような表情を浮かべた。
「あ、ごめんなさい」
テンションを上げ過ぎちゃった自分に恥ずかしくなりながら謝ると、また頭をグイグイと撫でられる。
「謝る必要ねーよ?そんだけ嬉しかったんだろ?」
「…そうだけど」
一臣君を驚かせちゃったし。
「気にしてねーから。ってか、その勢いで『一臣君が好き』とか言ってくんない?」
「…え!!」
「ダメ?」
「…え、えと…」
ダメ?と聞かれてしどろもどろになってしまう。
だって、『好き』なんてそんな事…
(ドキドキし過ぎて言えないよ…)
でも、
「す、すす、」
一臣君に気持ちが伝わるように頑張りたくて、
「す、」
真っ赤になりながらその言葉を言おうとするんだけど、
「すす…、~っ」
照れ過ぎてやっぱり言えない。