他校の君。【完】



Side 一臣


真っ赤になりながら、何度も『す』を繰り返す香澄がかなり可愛い。

けれど、


(やっぱ、無理か)


付き合ってすぐに好きになってもらうのは無理だよな。

好きだと言ってもらえない事に少しがっかりしていると、


「はい、どうぞ」


出来たクレープ。

それを受け取って甘い方を香澄に渡すと、香澄が嬉しそうにクレープを受け取った。


「クレープ好き?」

「うん!大好き」

「そっか」


大好きか。

俺も言われてー。

若干クレープを羨ましく思いながら香澄を見ていると、クレープに気を取られ始めた香澄が小さくクレープにかじりついた。

そんな仕草も可愛い。

香澄の行動や言動一つ一つが可愛い過ぎて仕方ない俺って一体何なんだろうな。


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